人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

シャーデンフロイデは窓の近くまで来ると、ピタリとその動きを止める。オリバーが護衛たちに指示を出した。

「奴の動きが止まった!今のうちに攻撃を仕掛けるぞ!」

「はい!!」

オリバー、そして護衛たちが部屋から出るために走り出そうとした瞬間、部屋中に男性の声が響いた。

『止まって。君たちや王宮を攻撃するつもりはないよ』

シャーデンフロイデから聞こえてきた声にオリバーたちは「は?シャーデンフロイデが人の言葉を!?」と戸惑いの言葉を発していく。すると、目の前でシャーデンフロイデの姿は消えてしまった。どこかに飛んで行ったわけではない。まるで最初から存在しなかったように、消えてしまったのだ。

「……今のは幻影魔法。幻を作り出して操る魔法だ。シャーデンフロイデは最初から存在していなかった。僕たちがこれまで目にしていたシャーデンフロイデは、全部幻だったんだ」

応接室の扉が開き、イヴァンが入って来る。イザベルとチャールズが「幻?」と呟く中、ヴァイオレットはサクラとフェリシアーノを見つめた。二人は穏やかな顔をしており、自分の答えが正しいのだとヴァイオレットは確信を感じながら口を開く。