人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

夕方、ようやく全ての屋敷の周辺に住んでいる人たちから話を聞くことができた。その結果にヴァイオレットとイヴァンは驚いている。

話を聞いた人は、「家が攻撃される前に女性の声を聞いた」と口を揃えて言うのだ。だが、その声のおかげで怪我をした人は一人もいない。

「一体、どういうことなのでしょうか?シャーデンフロイデは何者かに操られているということでしょうか?」

ヴァイオレットは疑問を口にする。しかし、それをすぐにイヴァンは否定した。

「それはないよ。何者かがシャーデンフロイデを服従させているのならば、魔法をかけた人間がそばにいなくちゃならない。シャーデンフロイデが現れた現場で魔法を使えた者は、僕やフェリシアーノ、オリバーやサクラ以外に見当たらなかった」

何者かに操られていないのだとすれば、人々が聞いた声は何だったのだろうか。疑問が増えてしまうばかりである。

「まあ、明日王都でも聞き込みをしよう。王都の人は声を聞いていないかもしれない」

考え込んでしまうヴァイオレットの肩に、イヴァンの手が触れる。その大きな手は、まるで割れ物に触れるかのように優しい。