人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

「すご……。これ、全部本物ですか?」

アイリスが宝石を手に取り、驚きと興奮を露わにする。リオンが贈られた絵画を見て言った。

「これ、額縁は金でできてるし、宝石も埋め込まれてますね。相当価値があるものなんじゃないですか?」

リオンが手にしている絵画は、彼の言った通り額縁は純金で作られているようで、部屋の照明に当たって光を放っている。

「ヴァイオレットは、この絵画は誰が製作したものかわかるかい?」

イヴァンが宝石から顔を上げ、ヴァイオレットに訊ねる。ヴァイオレットは「本でしか見たことがないのですが……」と前置きをしてから絵画に近付いた。

それは、フリルのついた水色の日傘を持った白いワンピースドレスを着た女性が描かれたものだった。繊細な絵の具使いにヴァイオレットはすぐに画家の名前を言う。

「この絵はルーカス・トレニアの「我が愛する妻」です。ルーカスはジニア朝より五十年前のバーベナ朝で活躍した画家で、この絵は愛する妻のカンナの誕生日に日傘をプレゼントした後、一緒に散歩をしているワンシーンを描いたものと言われています」