ひとりぼっち歌姫とヘッドフォンの彼

「青春だねー」

 突然聞こえた気怠い声に振り向くと、入口で長身の男の人が微笑んでいた。高校生…いや、大学生ぐらいに見える。
 誰だろう、と首を傾げていると隣の篠井くんがボソッと呟いた。

「兄貴……」

 え!?篠井くんのお兄さん!?
 お兄さんはニコッと笑った。

「やぁやぁ初めまして音葉チャーン!めっちゃよかったよ!感動しちゃった!」

 篠井くんのお兄さんはすごい勢いで私に詰め寄って、両手で握手してブンブンする。

「あ、あり、ありが、」

「てか近くで見たらマジで可愛いね?連絡先教えて?」

「おい!」

 篠井くんがすかさず間に入って手を離させる。

「やーんせっかく仕事の合間縫って来た兄ちゃんにもっと優しくしてよーう」

 仲良し…って、言っていいのかな…?