ひとりぼっち歌姫とヘッドフォンの彼




 拍手喝采、再アンコールを打ち切るための司会アナウンスが響く中、私と篠井くんは控室に戻った。

「素晴らしい!」

 そこに軽音部の幹部たちがいた。大鳥部長が私の手を取り目を輝かせる。

「最高だったよ!まさか君があんな歌を歌えるなんて!カーペンター?いや、ジャニス・ジョプリン?とにかく君の歌は凄い!アコースティックもいいが、絶対ロックが合うよ!」

 そう早口で捲し立てた後、私の手に入部届を置いた。

「おめでとう、合格だ!軽音部にようこそ!」

 大鳥部長始め、幹部たちが笑顔で拍手する。

「……」

 みんなが憧れる軽音部。軽音部に入れば、きっと大勢の人に歌を聞いてもらえる。全国レベルのバンドをバックに歌ってみたい気持ちもある。
 ……でも。