「いや、あの、もう少し待っていただけますか?
先輩のこと真剣に考えたいんで。
中途半端な気持ちのまま伝えたくないので。」
そう言うと、加納先輩はホッとした表情をした。

「うんうん。待ってる。」
私の頭を軽くポンポンした。

「あ、あと先輩。これ。」
私はガトーショコラの箱を加納先輩に渡した。
「え?俺に?」
加納先輩は嬉しそうな表情になった。
「はい。作ったんでお口に合うかわかりませんが。」
そう言って渡した。
「ありがとう、マジ嬉しい。」
加納先輩は喜んで受け取ってくれた。

その夜、加納先輩から
「おいしかったよ。ありがとう」
とSNSがきた。

私は嬉しかった。