リヴィ・スノウはやわらかな嘘をつく



ーーどれくらい経ったろう。


 リヴィは倦怠感とひどい眠気を感じていた。レインスが彼女の髪を撫でている。瞳から飢餓感が消え、理性が戻っていた。

「すまない……」

 彼はぽつりとそう零した。

「そんなこと、おっしゃらないで。これは治癒士の役目ですから……」

 彼女はハッとした。まさか初めてだとバレてしまったのだろうか。

「何度もやったことですから、ね?」

 わたわたとリヴィは起きあがろうとする。だが、レインスに押し止められた。瞳はうるうると緩んでいるが、なにを考えているのかは分からない。ただ、寂しそうに見えた。

「そう、そうだな。貴女がそういうのなら、そうなのだろう。……だが、しばらくこうしていてもいいだろうか」

 彼はリヴィの手をさすり、優しく頭をその胸に抱き込む。

「も、もちろんです……」

 うれしさと、後ろめたさとがない混ぜになる。それでもリヴィはレインスの胸のなか、やがて眠りに落ちていった。