「なーのっ!おはよ~」

なんて朝から元気な声で話しかけてくる
この子が依舞

「最近寒すぎない!?奈望の手冷たいね」
また今日も今日とて思わせ振り。
依舞の手、暖かいな

「…なんでさ」

「うん?」

「なんでもない」

そんなすぐに手とか触っちゃうの?って言おうと思ったけど、そんなこと言って変に思われたら嫌だしなって。


「ふーん
てか手綺麗だね
僕もそーゆー手に生まれたかった」

「ありがと」

十分君も綺麗なのにって内心思う

「奈望って塩対応だよね~」

「そう?」
まぁ自分でも分かってるんだけどね
本当はこんな風になりたくなかった。
言いたいことちゃんと言って、皆から可愛いって言われる女の子になりたかった。


「可愛いからいいけど」

依舞の声がそう聞こえたのは幻聴…?

「嘘つき」
なんてまたこんな対応
本当はすごい喜んでる。叫びたい

「んー。つれないなぁ
まぁその方が燃えるんだけど」  


その言葉も嘘だと思って今日も過ごす

この子の発言にいちいち反応してたらきりがない。