花子は罰が悪そうな顔になると「万年筆、勝手にとって、壊しちゃってごめんなさい」とても小さな声だけれど、頭を下げてそう言った。

「許さない! って、いいたいところだけれど、壊れたものは仕方ないよね」
手の中の万年筆を見て小さくため息を吐き出す。

今回の出来事で一番のショックはこれが壊れたことかもしれない。
「壊れた破片はまだ持ってる?」

健太に聞かれて花子が「部屋にあるよ」と、答えた。
「それなら直せるかもしれない」

「本当に!?」
絵美の顔が輝く。

「あぁ。だからまずは帰ろうか」
そうして3人はようやく家へと戻ったのだった。