座り込んでいる花子に優しく手を伸ばす健太。
花子はそれでもはいつくばってビーズをひとつひとつ拾い集めはじめた。

「ブレスレッドはまた作り直せばいい」
「健太お兄ちゃんも部屋に行ってもいい?」

「もちろんだ」
健太が大きく頷くのを見て、花子が勝ち誇った笑みを絵美へ向けた。

その顔をみた瞬間、すべてが仕組まれていたのだと気がついた。
きっと、窓から健太が見ていることにも細書から気がついていたんだろう。

「さぁ、行こう」
「ちょ、ちょっと待って!」

絵美が呼び止める声も無視されて、ふたりは健太の家の中へと消えていったのだった。