次々と参加者が舞台へ上がり、コンテストは進んでいく。正統派?で勝負する人やウケ狙いで面白い格好をして面白いことをする人……。それぞれが個性をアピールしている。

 この学園で人気のある生徒ばかりが出ているから、参加者が舞台に上がるたびに盛り上がりの声がこっちに届いてきた。

 私の心臓の音がどんどん早くなってくる。
 ついに次が出番。

 ドキドキを沈めるために自分の胸を手でそっとおさえた。

「大丈夫。舞台とそれ以外の場所は別世界で、特別な世界にいる優乃ちゃんは誰よりも輝くはずだから」

 そう言って陽大くんが私の背中を優しく叩いてくれた。

 背中から自信のエネルギーが入ってくる気がした。ドキドキもちょっと落ち着いてきた。

――陽大くんがいるからきっと大丈夫。

 前の人たちのパフォーマンスが終わり、私たちの番が来た。

 舞台袖のすぐ舞台に上がれる位置にふたりは待機する。
 1か月前に撮影した映像が終わると、陽大くんが先に舞台の中心よりも少し右側へ行き、音楽が流れるまで胸に手を置いて執事のポーズで待機する。

 シャンシャンシャンと曲が流れ始めた――。