「ええ、そうね。どちらも同じ死因で、状況もそう変わらない。本当に似すぎているというか、なんというか……」
「……」

 そこでマグナスは、調査結果が記された紙を交互に見た。
 その顔は、何かを思いついたような顔だ。それに倣って、私も紙を交互に見てみた。二人の死の状況は、本当に似通っている。そこに何か意味があるのだろうか。

「まさかとは思うが、二人は同じ何かを使って殺されたのではないだろうか?」
「え?」
「この一致は、偶然という訳ではないのかもしれない。思い出してくれ、我々の結婚までの過程がとても奇妙だったということを」
「奇妙……ああ、そうだったわね」
「それはもしかしたら、君の父と俺達の母が、これらの事件において共謀していたから推し進めたものなのではないだろうか」
「……確かにそれはあり得ない話ではないわね」

 マグナスの推論に、私はゆっくりと頷いた。
 二つの事件が繋がっている。それはあり得ない話ではないだろう。
 私とマグナスの結婚には謎が多かった。もしかしたら私達は、事件を通して繋がっているのかもしれない。

「よし、それなら調べるべきは、二つの家の繋がりということになるだろう。その辺りについて、兄上にも相談してみよう」
「ええ、よろしくお願い」

 私とマグナスは、力強く頷き合う。
 こうして私達は、新たな視点から事件を調べることにするのだった。