一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。

「一つだけ、あなたに伝えておきたいことがあるの」
「伝えておきたいこと?」
「ええ、私の過去の話はしたわよね? 私もね、思っているのよ。母が父に殺されたのではないかと……」

 そこで私は、先に自分が抱えている事情を話すことにした。
 それを話すことによって、私自身の心も整理することができると思ったからだ。
 その説明に対して、ラナーシャは目を丸めている。やはり彼女も驚いているようだ。

「私の方は、ただの疑いでしかないわ。あなたのように、何かを聞いただとかそういう訳ではない。でも、父ならやりかねないと思っているの。あの人は冷酷だから……母意外に彼が手にかけた人物は、知っているしね」
「……」
「私とあなたは、きっと同じなのでしょうね……私は必ず、父の罪を暴くつもりよ。まあ、本当に病死ということもあるのかもしれないけれど」
「アラティア様……」

 私は、ゆっくりと自分の本心をラナーシャに打ち明けた。
 その言葉を受けて、ラナーシャの表情は変わる。強く凛々しいものに。
 つまり彼女は、決意したということなのだろう。それなら私も覚悟を決めなければならない。彼女やマグナス様と一緒に、真実を暴く覚悟を。