一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。

「なるほど、俺の知らない所で色々と起こっていた訳か……」
「ええ、伝えるのが遅くなってしまってごめんなさい」
「いや、それは構わない」

 私は、マグナス様にランパーとラナーシャの間に起こったいざこざを説明していた。
 彼はその説明にかなり驚いている。それは私にとっても意外なことだった。
 てっきりラナーシャが、ある程度の事情を説明していると思っていたからだ。何も話していないというのは、予想外である。

「しかしラナーシャが君にそんなことを……」
「ええ、頼ってくれたみたいね」
「驚きだ。しかし、いい傾向でもある……」
「いい傾向?」

 マグナス様が最も驚いているのは、ラナーシャが私に相談をしたという部分であるようだ。
 それは確かに私にとっても驚くべきことではあった。しかし、単純にランパーのことをよく知っているから私を頼っただけではないのだろうか。

「あの子が頼るのは、いつも俺か兄上だった。それ以外の人に相談をするなんて驚きだ」
「そうなのね……」
「ああ、成長を感じる。どうやら君やランパーとの交流が、ラナーシャにいい影響を与えてくれたらしい」
「そう……まあ、それなら良かったわ」

 マグナス様は、嬉しそうにしていた。
 トラウマで人と接することが難しくなった妹が、他人に心を開いているという事実は、彼にとって非常に喜ばしいことであるようだ。

「やはりあなたは、妹さん思いなのね」
「ああ、それはもちろんだとも。俺にとって妹は大切な存在だ。守るべきものだ」

 マグナス様は、私に対してそのように堂々と言ってきた。
 彼の妹に対する愛は深い。それは素晴らしいことであるとは思う。