「こちらです」
「ええ、ありがとう……」
メイドの案内で部屋まで来た私は、ゆっくりとその中に入っていく。
部屋自体は、とても綺麗でいい部屋だ。少なくとも私を不当に扱おうとしていないことが理解できて、私は少し安心する。
ただ私は、先程から気になっていた。
ここまで案内してくれたメイドの態度が、どこかおかしいような気がするのだ。
礼儀作法に問題があった訳ではない。だがどうにもぎこちなさのようなものがある。
初対面の相手の前で緊張している。そう考えることもできるだろう。
しかし彼女からは、恐怖のようなものが読み取れる。それが気になって、私は少々思案することになってしまった。
「それでは、私はこれで失礼します。何か御用があれば、お申し付けください」
「あーあ、少し待ってください。早速頼みたいことがあるんです」
「……はい。なんでしょうか?」
「この屋敷のことを教えていただきたいのです。もちろん、事前に話は聞いていますが、念のため確認しておきたくて」
「わかりました。何なりとお聞きください」
メイドは、私の質問に対して淡々と言葉を返してきた。
問題ない応対ではあると思う。ただやはり、その表情や言葉の節々から緊張感が伝わってくる。その態度が、頭に引っかかって仕方ない。
とはいえ、いきなりそのことを聞いても恐らく答えてくれないだろう。ここはとりあえず、世間話から始めてみる。
「ええ、ありがとう……」
メイドの案内で部屋まで来た私は、ゆっくりとその中に入っていく。
部屋自体は、とても綺麗でいい部屋だ。少なくとも私を不当に扱おうとしていないことが理解できて、私は少し安心する。
ただ私は、先程から気になっていた。
ここまで案内してくれたメイドの態度が、どこかおかしいような気がするのだ。
礼儀作法に問題があった訳ではない。だがどうにもぎこちなさのようなものがある。
初対面の相手の前で緊張している。そう考えることもできるだろう。
しかし彼女からは、恐怖のようなものが読み取れる。それが気になって、私は少々思案することになってしまった。
「それでは、私はこれで失礼します。何か御用があれば、お申し付けください」
「あーあ、少し待ってください。早速頼みたいことがあるんです」
「……はい。なんでしょうか?」
「この屋敷のことを教えていただきたいのです。もちろん、事前に話は聞いていますが、念のため確認しておきたくて」
「わかりました。何なりとお聞きください」
メイドは、私の質問に対して淡々と言葉を返してきた。
問題ない応対ではあると思う。ただやはり、その表情や言葉の節々から緊張感が伝わってくる。その態度が、頭に引っかかって仕方ない。
とはいえ、いきなりそのことを聞いても恐らく答えてくれないだろう。ここはとりあえず、世間話から始めてみる。



