一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。

「そうですね……できることなら、そうなりたいと思っています。でも私は曲がりなりにも貴族の令嬢になる訳ですから、それが難しいということも理解しています」
「そうね。その辺りについても、難しい問題であると思うわ」
「ただ、今のランパーさんの態度はなんというか……大きな壁があるような気がして。少なくとも、それを取り除きたいと思っているのです」
「壁ね……」

 ランパーが彼女に対してどういう態度を取っているのか。それは容易に想像できる。
 私は思わず、苦笑いしてしまう。昔から、ランパーはそういう所があった。それはどうやら、まったく変わっていないようだ。

 基本的に、祖父であるゲルトさんのような紳士を目指しているランパーだが、彼はまだまだそうなれてはいないらしい。
 ランパーは対応の加減を、間違ってしまっている。そういう部分に気が回るようにならなければ、真の紳士とはいえないだろう。
 今回は、それを学ぶいい機会なのかもしれない。なんとかランパーにとっても、ラナーシャにとっても、いい結果に落ち着けたいものだ。

「まあ、私の方でそれとなく注意しておくわね」
「申し訳ありません、アラティア様。ご迷惑をおかけします……」
「気にしないで。このくらいのこと、なんてことないことだもの」