一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。

「いや結局の所、そんなことを考えても仕方はないか。我々は我々の生活を送ればいいだけだ。少なくとも今の所は平穏な生活を送れている。それなら悩む必要もなかろう」
「まあ、そうですよね……」
「……ここでの生活は、君にとっても平穏であるのだろうか。俺としては、それが気になっている。こちらは色々と無茶なことを言っているからな」
「ええ、この屋敷は居心地がいいと思っていますよ」

 マグナス様の質問に、私は笑顔で応える。
 こちらの屋敷での暮らしは、少なくともカルロム伯爵家での生活よりも充実している。不当な扱いもされないし、居心地もすごくいい。

 その生活が一年間で終わるというのは、今となっては少し残念なような気もしてきた。とはいえ、別にここに留まる理由があるという訳でもない。
 お父様やお母様が何を考えているかはわからないし、やはりここはマグナス様の提案に乗った方がきっといいのだろう。

「そういえば、君が連れてきた使用人三人……ゲルト、メルテナ、ランパーだったか? あの三名は、よく働いてくれているようだ」
「ああ、そうですか」

 結婚の謎からマグナス様は大きく話を変えてきた。しかしそれも、私がそれなりに気になっていたことである。