「俺は、ここ…有沢病院の跡継ぎってことになってる一人息子で、有沢景って名前。君は?」

空想の中のボーイフレンドの名前は、和風のルックスのなのに、名前はアダムなので、空想の彼と、現実の目の前の彼が別人であることは、ちゃんと認識している。

「私は…花梨。宮川花梨」

「俺とそんなにトシ変わらなくない?いくつよ?俺はもうすぐ15になるけど」

「あ、じゃあ年上なんですね。私は中2なので…」

「そんなこと気にしなくていいよ、学校の先輩後輩じゃないんだから。」

学校か…。

「有沢さんは…」

「その呼び方もやめて。景でいいから」

「じゃあ、景は何処の学校なの?私は五中だけど…」