声色が変わる。

「ラギドへの復讐を誓い、聖騎士の務めを果たすために貴女を迎えたのに」

 ーーそれなのに、僕は、貴女のことを恋しく思ってしまうんだーー


「貴女のこと、知れば知るほど、愛しくなる。私の話を楽しそうに聞いてくれるのも、驚いて目を見張るその姿も、肩を素直にいつも私に恥ずかしそうにみせてくれるその慎ましさも、この屋敷で、あなたの見せた勇気も」

 一日一日を重ねるたび、貴女のことで僕のなかが満たされていく。務めや復讐など飛び越えて、あなただけを感じていたくなってしまう。

 セヴィリスはリリシアの手を恭しく掲げ、その手の甲にそっと唇を寄せた。

「どうか、どうか、貴女を愛する赦しを。お願いだ。リリシア殿」