ウソの魔法に、君とかかる (短)


「だって、あのイケメン黒瀬くんと、平凡な暮石さんって、どう考えても釣り合わないじゃん。釣り合わない恋って、ツライでしょ?

だから花崎くんに協力してもらって、別れさせてあげようと思っただけ」

「花崎くんに、協力……?」

「そうだよ? どうだった? 好きな人に”好き”って、冗談でも言ってもらえた時の気分は」

「!」



すると、ちょうどその時。花崎くんが教室に戻って来た。


さっきまでは気づかなかったけど、花崎くん、すごく顔色が悪い……。

しかも、怖い女子グループに「お疲れ~♡」なんて言われてる。



「花崎くん……」

「! ……っ」



花崎くんは私と目が合った後、泣きそうな顔をして……。自分の席に座り、顔を伏せた。

もう何も聞きたくないし、見たくない――花崎くんの背中から、そんな心の声が聞こえる。



「花崎くんに、無理やり協力させたの……?」

「まさかー! ちょっと、そそのかしただけ」

「そそのかす……?」