「……帰ろうか。俺たちの家に」 帰る。 帰るのだ。 あたしたちは誰も過去にさよならしていない。 綺麗なまま未来に触れることはできない。 過去があるから今を生きることができて 今があるから未来をみることができる。 ひとつのページをめくれば、新しいページがはじまるのだ。 そして慧斗は、機械の音が一定のリズムで鳴る瞳さんの病室の扉をゆっくり閉めた。