『はばたけ!青いつばさとみらいの苺ジュニア文庫大賞』


 だだん、と大きく貼られたポスターを、意識していなかったわけではない。もし今書いている続編が完結したとして、前編と続編でひとつの物語が作れたとしたら。

 応募資格は満たされて、コンテストに応募することができる。


「ジュニア……」


 というくらいだから、応募できるのは中学生だけ。大賞受賞者は図書券五千円分というなんとも豪華なものだった。
 小説家になりたいのなら、迷わず応募するべきだ。こんなチャンスめったにない。

 自分が大好きな文庫が対象のコンテストだもん。やらない手はない。



 でもわたしはいつだって臆病だった。



 コンテストに落ちるってことは、わたしの小説が面白くないと評価されたと同義。それはきっと失恋にも似た痛みだ。自分が否定される痛みを自ら受けにいこうとは思わない。
 だって、こわいから。



 書く手を、止めてしまいそうになるから。