わたしは主人公になれる。
 かっこいいヒーローにもなれる。悪役にも、動物にも、幽霊にだってなれる。

 それが実現する唯一の方法は、『小説を書くこと』だった。
 作家というのは、キャラクターに命を吹き込む人のことだ。わたしは、そう思っている。
 だからわたしは誰にだってなれる。どんなキャラでも、自由自在に動かすことができる。
 わたしは物語のそんなところが好きだった。

 恋愛小説だけじゃない。青春小説も、ファンタジーも、ホラーも、ミステリも。純文学も、ヒューマンドラマも。ぜんぶ、作者の自由だ。