「はぁ………」



とまた大きなため息をついて、散らばってるプリントを拾いあげようとして、下に俯いた時、




1人の手がプリントを拾ってくれていたのだ。






だ……れ?私を……手伝ってくれる人なんて






そう思って前を向いたら、




「…た、……まくん……?」




「なぁに、萩野。」



「え、………と、手伝ってくれて……ありがとう……」




どうして私を手伝ってることを聞くより最初に、お礼言わないと。






「ん、これ。」




あっちの方にあったプリントか……




「あ、ありがと……う。」



家族以外とちゃんと話すの……先生抜いたら
すごい……久しぶりだ……





「どういたしまして。」





ニコッと笑う多摩くんは、太陽みたいに明るくて輝いてて。





そんな笑顔は私はできるのかな?




きっと今してみてって言われたら出来ないだろう。




私はそんなに強くないもん。




ガラスのハートでは無いけど、窓ガラスみたいに日々にダメージが蓄積して私の心は壊れるんだと思う。




そんなのなさそうな彼に、私は




「羨ましい………」


そう言っていた。




あれ、多摩くん目見開いてる?



あ、




声が、……でてたんだ。



ずっと…………彼に思っていたことが。