千絵がなんでと言うように、目を見開いて私の名前を言う。



雅美ちゃんはと言うと、下に俯いていて拳を固めていた。




「………、いきましょう。」




「………千絵、雅美ちゃん、ごめん」





わたしは溢れる涙を、手で見えないようにして。





声を押し殺して泣いた。





「……、李梨。もしかしてあのこと無理やり付き合っていたの?よかったわぁ、引き剥がせて……」


とお母さん。



「………っ、」




「大丈夫だよ、もう良いところに行けるからね」


と、お父さん。


「…………っ、」



嫌だ、嫌だ。



車に乗る。




那月くんとは違う、フローラルの香り。




その匂いが目を刺激する。





前まで好きだった匂いだったのに、
嗅いでるとあの落ち着く感じを思い出して
悲しい。






「りり、ついたわよー。」





「…………うん。」

お母さんがすでにわたしのバックを持っていた。



教室に置いてたはずなのに。




1人自分の部屋に入る。




入った瞬間目が緩み、泣いていた。




友達も、好きな人も




全部終わりだ。



助けてfin