「俺は、トロかった。だからいじめられた。
先生のバレないところで。だから俺は、いじめられてる萩野を助けようと思って話しかけてたんだが…雑用を装って。。それが萩野の苦しみに繋がってたんだな…、すまない。」




「…………」




雑用を私に何度も頼む意味。



確かに先生は雑用の時『は、萩野最近どうだ?』って言ってくれてた。




でも、私が『楽しいですよ!毎日』って
テンプレートの答え方をしてたから……





先生は本当に助けようとしてくれてたのかもしれない。





けど、




「先生。私はもう違うから言わせてもらいます。感情を口に出さない人だっているだもの
先生の助け方は間違ってた。はっきり言わせてもらいます。」


私はもう意見を出せるよ。



ちょっと遅すぎちゃったけど、意見を出せなくなるなんてないもの。




「………、あぁ。完全に間違ってた。俺はいじめられてる子を助ける先生になりたかったんだが、……俺には向いてないかもしれないな」




乾いた笑いが面談室に響く。




それがなんだか私には悲しくて。





「……私には先生に先生という仕事を辞めてほしくないです。」