「史奈、お疲れ様!」

カフェで待っているはずのマルクが、事務所の前に居て驚いた。

「僕も、じっとしてられなくてさ…。ま、果報は寝て待てって言うし、史奈は頑張ったよ。あとは、ご両親との約束を守るためにも、ちゃんと勉強は続けようね」

オーディションの合否がどうだったとしても、学年末試験では、これまで以上に結果を出そうと心に決め、マルクに教わったことは帰宅したあとに、きちんと復習して日々を過ごしていた。

モデル事務所からは、なかなか連絡もないので、やはり落ちたのだろうと、大して気にしていなかった。

そして、学年末試験では、これまでで最高の結果を出すことができて満足して帰宅した日のこと。

「史奈、モデル事務所から通知が来てるわよ」

ソワソワしたように母が言い、期待せずに開封し…思わず言葉を失った。

「うそ…」