甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。





『あたしは暁の姫になるために今までずっと努力してきたの…!!あんたなんかっ、あんたなんか空想のキャラクターに対して妄想ひけらかしてただけでしょっ!!』



数日前、マミさんは私だけの前に現れた。

そしてこんなセリフを言い、犬丸を黙らせたのだ。


びっくりするくらいそのとおりで、「うん」ってうなずいちゃったんだ反射的に。


それがマミさんを逆撫でしちゃったみたいで、ドンッと押された。



『あたしのほうが暁にも千明にも相応しいんだから…っ!!』



ふわっと広がる花の匂い。

スカートから覗いた足の細さ、触らなくても分かる髪の毛の感触と艶。

大きなくりくりの目に、くるんっと上がった長いまつ毛。


聞くところによるとマミさんは読者モデルもやっているらしい。


───結論:犬丸が戦っていい相手ではない。