「ち、千明もどーしてこんな女を隣に置いてるの!?あたしを姫にしてくれるって約束したじゃない……!」
「してない。俺は昔から……、それはお前が勝手に言ってただけだろ」
「っ、ぜったいあんたを蹴落としてあたしがその場所を奪ってやるんだから……!!」
バンッッッ!!!
扉はもうちょっと優しく閉めても変わらないんじゃないかと……。
なんか、嵐のような女の子だったな……。
蹴落とす……、
犬丸、あの子にいつか蹴られて落とされるんだって……。
「気にしなくていいからな犬丸。あいつは昔からあーいう救いようのない性格してるんだよ」
「……っ、…うぅ…っ」
ハッ!!と、まず殺気を放ったのは一条くん。
すぐに気づいた他の人間たちが「これはヤバい」と感知する。
そう。
一条くんは犬丸が涙を流すととんでもなく怒るのだ。



