「ねえねえリンちゃん、このあとカラオケ行かなーい?」
「あらいいわね!でもお店はアタシにチョイスさせて?」
「ええー?どうしてー?すぐ近くのとこ行こうよ~!」
「まったくもうっ、イケメン店員がいるところじゃないと意味ないじゃないっ!」
「きゃははっ!そーいうことねっ」
人通りのある大通りに紛れた私は、女の子たちに囲まれながら歩いてくる顔をちょうど見つけた。
すぐに駆け寄ってハァハァと息を整える。
「だれ?ミカの知り合い?」
「ぜんぜん知らなーい。私たちに何か用ですかぁー?」
この人ともあの日以来会っていなかったけれど、猫葉くんが覚えていてくれたのだから彼もきっと覚えてくれているはず。
「そっちでっ、路地裏っ、いっぱい犬丸追われて……っ!」
だめだ、まとまらない。
梅雨時期の女の子の髪の毛かってくらい、まとまらない。



