甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。





あ………。

今日にもクラスの女の子たちがそんなことを言っていたような…。


え、、、、。


つまり、と、言いますと。

犬丸って高い価値があるの……?



「いやいやいやっ、断ったんでえ…っ!お断りいたしましたんでえ……っ」



だからちがう。

近づいてくるの、間違ってる。


そんなジリジリ近づいちゃって、ジリジリするのは夏の太陽だけでいいんだよ。


なんつって☆



「だっ、だれか……!あのっ、そのっ、犬丸がぺったんこにされてしまうぅぅぅぅ…っ」


「───うっ……!!おまっ、ガハ……ッ!!」


「テメェはあかつき───うぐ…ッ!!」



しゃがみこんでいた犬丸。

ぎゅうっと固く閉じていた目を開いたとき、行き止まりの路地裏で膝をつく男たちを見下ろしている二足歩行の猫さんが。