甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。





ここは内科や外科だけじゃなく、その他の科も基本は揃っていると言われている病院だ。



「村雨くんは…、まだ身体のほう…」


「いや、…もうへーき。でも定期検診はあるってだけ」


「そ、そっか…」



なんか学校じゃないだけでうまく話せないな…。

お互いに私服だし、いつもは感じない小さな緊張がある。



「それにしてもマル子さ、恥ずかしくないの」


「えっ」


「…そのリュック。ひどいよ」



言われて、チラリと自分が背負ったリュックを気にする。

村雨くんの言葉とは裏腹に、犬丸はニッと笑った。



「これ、お出かけ用なんだ~。いっぱいルキくんで溢れてるでしょ?」



缶バッジにキーホルダー。

シンプルな白色のリュックが、たくさんの紫色で飾られている。

缶バッジが何個もついて、見ているだけで賑やか。