甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。





ああもう、万年恋人夫婦め!

ここに娘がまだいるからっ!

熱い熱い時間は私が病室を出てからにしてもらっても…?



「じゃあ私、ちょっと飲み物買ってくるね~」



個室の扉をパタリと閉める。


盲腸、いわゆる虫垂炎になっちゃったお父さん。

お父さんがいない毎日は不安というよりも、私とお母さんで母子の時間を堪能させてもらっていた。


幸い穴のあいていない、ダメージの少ない虫垂炎のため、手術が終われば早くて来週中には退院できるとのこと。



「おばあちゃん!だから僕はもう大丈夫なんだって!」


「なにを言っているの!定期検診はしっかり来ないとダメよ!」


「……もう嫌だよ、病院なんか」



あるある。

子供って病院きらいだよね。


なんだろうね、たぶん消毒液の匂いとか注射器とかがすごく怖く思えちゃうんだ。

私も小さい頃は引きずられながら予防接種に行ってたらしいし……。