甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。





「あれ、兄貴の彼女」


「………んっ?」



こらこらこら犬丸。

だからすぐ耳を立てるんじゃありません。
さっそく尻尾も振るんじゃありません。


そんなのしたらバレてしまうわい。



「誕生日プレゼント選ぶから付き合って欲しいとか言って、結局は自分のアクセサリー選びだったんだけど」


「……………」


「よく付き合わされるんだよ俺。たぶん近いうち義理の姉貴になるだろうし、良い人だから断れなくてさ」



犬丸、ソッコー逃げる。
もちろん逃げられるわけもなく。

パッタンパッタンと暴れ出す尻尾。


身体を起こしてそれごと抱きしめてくれる一条くん。



「お前にはいっこいっこ俺が教えてやらねーとダメってことな」


「……っ」



いいやっ、犬丸には心に決めたルキくんがっ!!

ルキくんお願い出てきて……!!


なんで一条くんで頭のなかいっぱいなのそんなの困る……!!


犬丸はアニメショップにカップルで来てるお客さん見てケッってするような人生で良かったはずなのに……!