低すぎてビビる。
ビビるを通り越して呼吸が止まる。
一条くんが犬丸に対して聞かせていいトーンじゃなさすぎて、ふるっと瞳は揺れた。
そして気づいた一条くん、もっと殺気。
「わかった。強行手段」
「っ…!」
「牙出されたって爪立てられたって、いーわもう」
なに………?
ドクンッと、今までにない緊張が全身を電流みたいに駆け巡った。
そのあと「冗談」って笑ってくれるよね……?
じゃないとこれ、ちょっとヤバいかも……っ。
「あ……!」
一条くんだなって思った。
犬丸のことしか考えてないなって、思った。
ドサッと倒された身体に痛みを感じなかったのは、背中にマットがあったからじゃなく。
単純に一条くんの動きが私最優先だっただけ。
「ほんとは夏休み一緒に泊まったときだってそのつもりだったけど、…俺もそこに関しては単純すぎた。でもいい加減、こんな生ぬるいのやめてえんだよ」



