甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。





俺の呼び方も変えて一人称も変えて、村雨なりに奴らに近づこうとしていたんだろう。

1年の頃と比べて確かに筋肉もついているし、威厳に似たものが備わい始めていた。



『暁って…、南地区でかなり名前上げてるところだぞ。やめといたほうがいいんじゃねーの』


『…やっぱり一条も俺には無理って言うんだ』


『ちがう、そうじゃない。そうじゃねーけど……暴走族とか、お前には似合わないって。紹介とかも簡単にできるもんじゃねーし』



本当は、違った。


知り合いに暁に入っている人間はいたから、紹介することなんか容易いこと。


でもそいつらが村雨を見て首を縦に振るとは思えなかった。

むしろ傷つけられるんじゃないかと思ったから。



『頼むよ。俺たち親友だろ…?』


『……わかった』



強くなりたいと口癖のように言っている奴ではあった。

誰かの役に立ってみたいとか、褒められたいとか。


それはきっと今まで、我慢やできないことが多かったからなんだろう。