甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。





中学1年の村雨は今よりずっとずっと背丈も低くて気弱で、一人称は「僕」。

まったく正反対な性格をしていた。



『聞いたよ一条くん…!また他のグループからスカウト受けたんだって…?すごいね!』


『俺そんなの興味ない。暴走族とかダサすぎだろ。聞いてるだけで恥ずかしいし』


『…そうかな?僕は昔からカラダが弱かったから……強い人たちに憧れるなあ』



ペースの速い俺を追いかけてくるような、そんな奴だった。

最初は俺たちがつるんでいるだけで周りの生徒たちから笑われていたけど、俺が堂々としていれば次第にそんな声は減っていった。


俺にとっても村雨のような奴は新鮮だったから、こいつにだけ心を開けたのもあったりして。



『…ねえ、一条。俺のこともその人たちに紹介してくれない…かな。俺もいつか……暁に入りたいんだ』



そう言ってきた中学2年の冬。