甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。

一条side




「久しぶりに会った元親友に対してろくな挨拶もナシ?」



放課後の踊り場。

今日は朝からそこまで天気はよくなかったから、いつも以上に暗ったるい。


壁に寄っ掛かりながら言ってきたそいつの顔は、ちょうど影で隠れていた。



「ああ、そりゃそうか。もう俺たちは敵なんだからね」



中学の頃、俺にとって友達と呼べる存在は村雨 類だけだった。

それと同じくらい村雨にとっても俺だけが友達。


昔から身体が弱かったらしいこいつに合わせて、俺も体育の授業をしょっちゅうサボったりしてたっけ。



「総長になったんだろ?おめでとう、一条」


「……暁を潰すことが目的なのか」


「あれ?俺の話ちゃんと聞いてなかったの?俺はお前が大嫌いなわけだから、…お前を潰せられれば満足なんだよ」



どこで俺たちはすれ違ったのか、心当たりがあるとするならひとつだけ。