「犬丸。自分の気持ちに嘘だけはつくなよ」
「……じぶんの、きもち…」
「俺だって最初はオネェになることに抵抗はあったよ。もちろん周りの目だって気になりまくった。けど……それ以上に彼女のことを愛してたから。その気持ちにだけは嘘をつかなかったんだ」
その彼女さんは幸せ者だ。
こんなにも愛されていただなんて。
たとえそのあと別れちゃったとしても、彼女さんにとってもいつまでも特別な存在なんだろうな…。
「これがアタシの原動力よ♡」
ぱちっとウインクをひとつ。
そこからたくさんのハートが飛んできて、犬丸はひとつ掴んで自分にくっつけてみた。
「いっ、犬丸は今後もさとちゃんとあすみんと仲良くしていきたいです…っ!!」
そして週が明けた朝。
さとちゃんとあすみんが下駄箱に来るのをずっと待っていた。
ふたりがやって来た瞬間、すぐに飛んでゆく。
もう周りの目なんか気にしていられない。



