「わんこちゃん、最近ちょっと言うこと聞かないときが増えてるから。リードはしっかりね」
「それってパピー期が終わってきた証拠じゃないかしら?」
「どーだろ。まあ僕たちに慣れてきたってことではあるんだろうけど」
寄り道と道草は必要以上はしないように。
歩くときは常に歩道、歩道橋があるときは遠回りしてまでも使うこと───。
こっちも出た……、
教育係とおりこしてお母さんな沙蘭くん。
「諸々了解よ~。さあ行きましょ、犬丸ちゃん」
ぜったい切れないと思っていたリードを切ってきたのが、あの村雨 類なのだ。
そして犬丸は別の件でいま、自分に繋がれたリードをフガフガと八つ当たりぎみに噛んでいる。
「犬丸ちゃん。千明ちゃんのことで何かあったんでしょう」
「っ!ななななにもっ!?」
「うふふっ、かーわいいっ!アタシこーいう話だいすきなのーっ」
通学路の真ん中でむぎゅっと引き寄せられて、あわあわしてから元通り。



