そう言うと、スポッとネックウォーマーを被せられた。

「あ、ありがとう。でも、葉山が寒いんじゃ…」

「大丈夫。これ、さっきたまたま100均で見つけたんだけど、100均にしちゃかなり良く出来てるし、触り心地も良かったから、もう一つ買っておいたんだよ。ホラ」

そう言って、同じネックウォーマーを葉山も被った。

「気に入ったものがあると、複数買うところ、私と同じよね」

「そうそう。初めてそれ聞いた時から、気が合うなって思ってたよ」

私たちは、お揃いのネックウォーマーで、ゆっくりと歩き出した。

まさか、12月24日のライブで、二人して笑い転げたあと、葉山の秘めた想いを打ち明けられるなどと、この時は全く予想すらせずに…。


FINE