「いやいや…世間的には男ウケする感じではないってだけで、俺から見たら、似合っててカッコいいと思うよ」

目の前の葉山は、よく見ると顔立ちは割といいのだが、雰囲気や性格が地味なので、仲間内でもモテるという話は聞いたことがない。

「ありがと。私はモテなくても構わないしね」

「なんで?」

興味津々な様子で尋ねられる。

「だって、モテたらモテたで大変そうじゃない?変な人に付き纏われたり、それこそ、カルメンみたいに刺されたり」

「あ、そういう意味か…」

私は、ウェイトレスに、ホットココアをお願いする。

「そういう意味って?」

私が尋ねると、