トモは呆れたように
溜め息をついた。
「…ったく、姉貴には
参るなぁ。
そーいう気持ちは、
俺じゃなくて
ユキトに言えよ。」
聞いている。
ちゃんと伝わっている。
だけど、言葉にならない。
「解ってるわよ。
そこに居るんだから
伝わってるでしょ。」
「それもそうか。」
「ね、ユキト。」
「うん。嬉しい。
ありがとう、菜々。」
僕は菜々の頬にキスをした。