数日後。
体調が少し回復したので、
菜々も休みを取って
2人で出かけた。
公園の桜並木は満開で、
綺麗だった。
「…綺麗ね…。」
菜々は感動していた。
「うん。」
ふと、菜々が
つぶやいた。
「懐かしいなぁ…。
私達、学校の中庭の
桜の木の下で
出会ったんだよね。」
「…うん。」
「隠し撮りされた時は
びっくりしたけど。」
「それは、あまりにも
空を見上げる菜々が
綺麗だったからだよ。」
「ふふ、ありがとう。
…私、ユキトに出会えて
本当に良かった。
幸せだよ。」
隣を歩く菜々は
そう言いながら笑う。
「僕も、菜々に会えて
良かった。幸せだ。」
僕も笑った。