悪戯心と悪い男

「会議室に向かってたら、たまたま仲山が
すごい形相で走ってたから、おもしろくて
ついてきてみた」

なんて、爽やかな笑顔で言ってるけど…

「え、あ、そう、そうだったんですか」


挙動不審にもほどがある…


「ほら、行くぞー」

「は、はいっ」


無言のまま、山崎先輩の後を歩くように
会議室へと向かうと当然ながら…


「おいおい、会議に遅刻って
2人揃って何してたんだよ」

扉を開けるなり、挨拶もソコソコに
そんな事を言われているわけで…


「いやー、仲山が階段でこけて荷物ばらまいてたんで拾ってました」

え?え?あっ…言い訳が…

「すいません、私がどんくさくて…
山崎先輩が助けてくださって…」

若干しどろもどろだけれど…

「とりあえず、もう始まってるから
座りなさい」

促されるまま座り
ようやく会議が進み始めた。