それはこれはチームプレイじゃないとクリアできないということだった。

ゾンビはあらゆる場面で出てきて、攻撃をしかけてくる。

そんなゾンビに対抗しながら謎解きをしてドアを開けないといけない。

複数人いるからこそ、それが可能になっているのだ。

1人で次の部屋に入って、ソンビから逃げながら出口を探すなんて、不可能だ。




「無理じゃない。きっと、大丈夫だから」




文秋は春美をなだめるような優しい口調になった。

その顔には笑みまで浮かんでいる。

その笑顔を見ていると急に梨乃は不安になった。

まさか文秋はここで死ぬ覚悟なんじゃないだろうか?




「ダメだよ。絶対に1人でなんか行かせない」




梨乃の強い声色に一瞬文秋がひるんだように見えた。

けれど、自分の考えを曲げるつもりはないようだ。