「ここで待っていて欲しい」




不意に文秋がそう言ったのは、通路の行き止まりが見えたときだった。

今は文秋が先頭を歩いている。




「待つ?」




後ろにいた梨乃は首をかしげて聞き返した。




「ここに来たのは俺の責任だ。ここから先は俺1人で行く」




文秋の言葉に梨乃と春美は目を見開いた。




「1人でなんて無理に決まってるよ!」




叫ぶように言ったのは春美だった。

今まで3つの部屋を脱出してきてわかったこと。