暗い通路を進んでいくと目の前に扉が現れた。

それを確認した梨乃は一度ふたりへ視線を向ける。

ふたりにも扉が見えているのだろう、大きく頷く。

行くしかない。

梨乃は少し深呼吸をして、目の前の扉を押し開いた……。

そこはさっきと同じような部屋だった。



真ん中にテーブルがあり、奥にはキッチン。

右の壁には洗濯機と乾燥機が置かれている。

左の壁には勉強机に本棚。

ここも、誰かのひとり暮らしの部屋といったイメージだ。

3人が出てきたのは部屋の壁の一部からだった。

ドアが閉まった途端に壁際から水が流れ出す。


思わず悲鳴を上げそうになって、ぐっと飲み込む。