「と、とにかく、行ってみたいとわからないもんな。こんなチャンス二度とないだろうし」




文秋は自分に言い聞かせるようにブツブツとつぶやいて、梨乃と春美にもアイマスクを手渡してきた。

マスクをつけると視界はゼロになる。




「では、出発しますよ」




大元の声が合図になって車が動き出す。

最初は怖かったけれど、座り心地のいい座席とアイマスクと、適度な揺れで、梨乃たちは眠気を感じ始めたのだった。