ゾンビゲーム 〜生死をかけて脱出せよ!〜

青ざめた春美が両足を抱えてつぶやく。

その頬には幾筋もの涙が伝っていた。




「大丈夫だよ。鍵穴はあとひとつなんだから」




梨乃は春美の肩を抱いてなだめる。

人のぬくもりを間近で感じるのは久しぶりで、春美はそれだけで心が落ち着いていく。

梨乃の体を抱きしめ返すと、耳元でクスクスと笑い声を立てた。




「くすぐったいね」



「うん。くすぐったい」




それは忘れてしまいそうな日常の一コマだった。

私達はまだ大丈夫。

こうして笑い合うことができるんだから。

梨乃は勢いよくテーブルの上に立ち上がると春美を見下ろした。




「春美、もう少しだけ頑張るよ! それで、絶対にこの部屋から脱出する! 家に、帰らなきゃね」



「うん。そうだよね」